方言大学 ここは講師をお招きして方言を解説してもらう専門チャンネル。
ちょっと堅い、けれど、ためになる講座を中心にお送りします。
公開講座「方言みーつけたー生活の中の方言を探るー」


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第二回:「ミンチカツ」と「メンチカツ」

●インクかインキか、ハンカチかハンケチか、これらには時代による使い分けが見られ、いずれも後者の方が古い語形です。
しかし、ミンチカツとメンチカツの使い分けには、時代差より地域差が大きいように見受けられます。つまり、主に西日本ではミンチカツが使われ、東日本ではメンチカツが使われているようです。

●語源をたどれば、英語の minced cutlet (mince は、細かく刻む、cutletは、肉の薄い切り身を焼いた料理)に行き着くようですが、これが西と東でどうして語形を変えていったのかは分かっていません。mince=ミンスですから、ミンチの方が近いように思えますが、経緯ははっきりしていません。
また、西と東と言っても、その境目がどのあたりにあるかも分かっていません。

●そこでみなさんのご協力を仰ぎたいと思います。
あなたは「メンチカツ」派ですか? それとも「ミンチカツ」派ですか?  
さらに、今後は「メンチカツ」が優勢になるのか、それとも「ミンチカツ」が優勢になるのか、知りたいと思いませんか。 お年寄りは? 若い人は? と、調査の枠を広げて報告していただければ、ありがたいと思います。

ところで、関西では「メンチを切る」と言えば「眼を飛ばす」と同義で、恐ろしい意味になります。東日本のみなさん、関西ではできるだけ使わない方が無難ですよ。







先生のみつけた


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  ●東の方は、「メンチカツだべ!!」(山形)「絶対メンチカツ」(神奈川)等々と、圧倒的に「メンチカツ」派でした。逆に西の方では、「ミンチ肉使っているからミンチカツでしょう」(兵庫)「メンチて何?」等々と、「ミンチカツ」派が大多数でした。予想通り、「メンチカツ」と「ミンチカツ」にも東西差が見られました。

●面白いのは、東日本で、「メンチカツ。でも、挽肉はミンチ」(神奈川)といった、材料と料理名を使い分けるという回答が多いことです。この逆のケース、すなわち、「挽肉はメンチ、料理名はミンチカツ」は全くありませんでした。

●今回の調査でも、糸魚川−浜名湖ラインが東西分布の境界線として見事に確認されました。ただ、今回も、西に属する中・四国地方が一概に「ミンチカツ」派とは言えず、複雑な様子を見せているのが気になります。
今後も感想・情報があれば、お寄せください(宛先はこちら)。
 




先生紹介
黒崎良昭 - くろさきよしあき
 園田学園女子大学 国際文化学部、助教授。「日本語学」「方言学」を専攻し、
日本語のコミュニケーションの諸相などを研究。
『全国お国ことば辞典』(三省堂)など方言に関係した書籍に多数、関わる。

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