方言大学 ここは講師をお招きして方言を解説してもらう専門チャンネル。
ちょっと堅い、けれど、ためになる講座を中心にお送りします。
公開講座「方言みーつけたー生活の中の方言を探るー」


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第四回:「やる」と「あげる」

●子どもにこづかいを−−。愛犬にエサを−−。植木に水を−−。
皆さんは、−−の部分に「やる」「あげる」のどちらを使いますか。

●かなり前の経験ですが、テレビの野球中継で掛布さん(元阪神・千葉県出身)が、「これ以上(相手チームに)点をあげてはいけませんね」と解説していたのを聞いたり、東京の水族館の飼育係の人が、「今から(魚に)エサをあげます」と言っていたのをテレビで見て、「関東の人はあげるを使うのが好きなんだなあ」と感心したことがあります。

●かと思うと、東北地方の人から、「名刺、やったかな」あるいは「これ、先生にやってくるから」と、場違いと思える「やった」の使用を聞いたこともあります。

●今回の調査は、この「やる」「あげる」についてです。あなたは(相手チームに)点を「あげる」派ですか、それとも「やる」派ですか。気楽な場面で親しい友達に言う場合を想定して答えてください。男女差も大きいと思われますので、性別を是非お書き添えください。







先生のみつけた


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  ●「やる」が52%、「あげる」が31%、「その他」が17%という結果になりました。東は「あげる」で西は「やる」などといった単純な分布は見られませんでしたが、「やる」:「あげる」が、東京・神奈川では10:19、大阪・兵庫では27:10と、少しはその傾向が出ました。時と場合によって使い分けるという回答が多くありましたが、当然のことでしょうね。

●北・東日本では「くれる」「ける」を使うという回答が多くありました。福島県の方から、「『くれる』が適当かと思います。「やる」では少し乱暴すぎるし、「あげる」では少し丁寧すぎるような気がします」との回答をいただきましたが、「やる・あげる」論争の問題点と解決法がみごとに表現されていると思います。どちらを使おうかと悩むことの多い私には、「水くれ当番」や「えさくれ当番」のある長野県の方々が羨ましくてなりません。
 




先生紹介
黒崎良昭 - くろさきよしあき
 園田学園女子大学 国際文化学部、助教授。「日本語学」「方言学」を専攻し、
日本語のコミュニケーションの諸相などを研究。
『全国お国ことば辞典』(三省堂)など方言に関係した書籍に多数、関わる。

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